原子時計は電磁波と原子との相互作用を利用した超精密な周波数標準器である.近年,CPT方式の開発により,光学系のみでマイクロ波帯の原子遷移が検出できるようになり,原子時計の小型化・低消費電力化が加速している.しかし,従来のCPT方式ではSN比が低く,共鳴の検出にロックインアンプなどの高度な回路技術が不可欠であり,更なる低消費電力に向けて大きな障害となっている.本研究では,申請者が新規に提案した直交偏光子法を利用し,マイクロ波帯のCPT共鳴を高コントラストに直接出力することを検討した.また,新しいCPT共鳴の時間応答解析法を提案し,短時間で精度の高い計算ができることを示した.
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