研究課題
近年、大規模ネットワーク化システムを用いて、付加価値の高いサービスを継続的に創出する制御法の実現が期待されている。このようなシステムでは、予め決められたタスクをこなすだけでなく、イレギュラーなタスクにもうまく対処できるようにすることが重要である。そこで、2021年度は、コントロールセンタなどを介することなく、サブシステム同士の局所的な情報伝達により、システム全体としての大域的な制御目標を達成する協調制御や分散最適化に関する研究を行った。特に、複数のロボットの協調によるターゲット追跡の基礎理論についてマルチエージェントシステムの制御の観点から考察し、その成果をカメラセンサネットワークの高信頼な制御則の導出へ応用した。本研究では、パン角やチルト角を制御できるPTZ (Pan-Tilt-Zoom) カメラセンサネットワークを対象とし、ネットワークを構成する各カメラのダイナミクスがオイラー・ラグランジュ (Euler-Lagrange) 方程式として定式化されるマルチエージェントシステムとしてモデル化した。また、スライディングモード制御を応用した合意制御により、有界な外乱の下でも、カメラ間の協調によって適切なターゲット追跡を行えることを示した。これにより、時々刻々変化する環境に応じてオペレータの監視業務を柔軟にサポートし、ロバストな制御を実現する協調制御システムのための基礎理論を構築することができた。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
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