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2018 年度 実施状況報告書

材料構成に基づいたフライアッシュの強度発現性能評価と高耐久コンクリートへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K14708
研究機関広島大学

研究代表者

小川 由布子  広島大学, 工学研究科, 助教 (30624564)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードフライアッシュ / 置換率 / 圧縮強度 / セメント有効係数 / 養生条件
研究実績の概要

本研究では、フライアッシュの強度発現性能を表すセメント有効係数(k値)について、早強ポルトランドセメントをベースとして再整理し、置換率のほかフライアッシュおよびセメントの材料特性を総合した指標で定式化することを目的としている。平成30年度は、養生環境の影響を検討した。検討する養生環境は、 (1)20oCの封緘養生に加え、(2)フライアッシュの反応促進および初期強度の確保の観点から適用が検討されつつある蒸気養生、(3)蒸気養生の温度履歴を与えた封緘養生、(4)長期湿潤養生を目的とした内部養生とした。蒸気養生には、3時間の20oC前養生の後、最高温度50oCまで速度10oC/時で昇温し、細孔温度を5時間維持し、その後20oCまで速度5oC/時で降温する、一般的なプレストレストコンクリートに与えられる温度履歴を採用した。内部養生は、廃瓦細骨材を細骨材の20%混入することにより行なった。水結合材比は40%とし、セメントには早強ポルトランドセメントを使用したモルタル供試体を作製した。フライアッシュは、前年度と同様に、JIS A 6201のII種に適合するものを使用し、セメント質量に対し0%、20%および40%とした。セメント有効係数を算出するため、早強ポルトランドセメントのみを使用した場合については水セメント比40%および60%の配合も用意した。作製したモルタル供試体は各養生後、7日、28日および91日に圧縮強度試験を行い、k値を算出した。ペーストを対象とした要素実験では、フライアッシュのポゾラン反応による水酸化カルシウム消費量を求めるほか、選択溶解法を用いたフライアッシュの反応率試験、水銀圧入法を用いた細孔径分布試験を行った。この結果、k値は蒸気養生した場合より20oC封緘養生した場合の方が高かった。さらに内部養生を行なった場合に高くなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績に示したとおり、様々な養生条件を対象として、フライアッシュを混和したコンクリートの圧縮強度発現に対するフライアッシュの貢献度について検討し、要素実験としてペーストを対象とした実験を行なった。予定していた条件におけるセメント有効係数の検討はすべて終了したが、ペースト供試体による要素実験における分析が終えておらずやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

平成29年度および30年度において対象とした材料および条件について、長期材齢においてk値による評価およびこれに対する養生条件や配合条件の影響を検討する。また、材齢半年以上の長期材齢におけるk値を算出することにより、材齢28日のk値による評価の妥当性を検討する。化学分析試験および細孔径分布試験を行うことにより、長期におけるフライアッシュの反応および組織の緻密化を確認し、k値による評価の妥当性を裏付ける。最後に本研究の総括を行い、今後の研究課題を整理し、材料選定段階で既知である材料特性と配合条件である置換率を総合した指標とフライアッシュの強度発現性能を示すk値との関係を解明でき、個々のフライアッシュの性能を活かした配合設計が可能となる。これは、セメント代替材料としてのフライアッシュの広範囲にわたる有効利用を促進する。

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公開日: 2019-12-27  

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