本研究は、コンクリート中鉄筋の腐食を加速させる因子として応力と酸素に着目し、それぞれが鉄筋腐食に及ぼす影響について検討した。その結果、応力が付与される環境では、応力のない環境と比較してコンクリート中の塩化物イオンがより少なくても局部腐食が発生し、塩化物イオン量が多いほど応力付与後に生じる再不働態化(酸化保護皮膜の自己修復)が遅くなることが明らかとなった。また、コンクリート中の溶存酸素量が多くなるほど鉄筋表面の酸素還元反応が促進され、腐食進行が促進されることも明らかとなった。この知見をもとに、新しい腐食加速試験法である高酸素腐食促進試験法を開発した。
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