研究課題/領域番号 |
17K14729
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
尾花 まき子 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10447831)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 河川砂州 / 伏流水 / 水質 / 河川植生 / 地形変化 |
研究実績の概要 |
本研究では,河道内地形の大半を占有する砂州での窒素循環に対象を絞り,砂州の伏流水を通した窒素動態の現象解明と,水理モデルと連結させた窒素動態 (硝化・脱窒)のモデル化を行う.特に,河川に特徴的な攪乱と景観構成(砂州の裸地域,植生域)が,砂州内の窒素動態に与える影響特性について適切に記述 することが目的である.研究期間の3年間で,具体的に,①洪水による砂州挙動,砂州内土壌環境と伏流水流れ・水質の通年モニタリング,および②景観の違いに応じた伏流水流れの特性変化に伴う水質変化をみる水理実験と安定同位体比を用いた室内培養実験により窒素動態の変化の特徴を把握,抽出し,③出水と平水時の場や流れの変化に 応じた窒素挙動を記述可能なモデル開発を行う. 平成30年度は昨年度より実施している現地観測や水理実験/室内実験にあたる①,②を継続的に実施した.現地観測では,庄内川のほか矢作川を対象に景観要素や洪水前後の違いを的確に抽出できるよう配慮して,砂州全体をカバーするように20本程度の観測井を設置し,メモリー式の水位計,DO計,水温計により,水位・水質変動について連続観測を実施した.本研究課題の特徴である洪水前後での地形変化に伴う水質環境の変化が捉えらることができた.また,室内水理実験にて,砂州の景観要素の中で特に 重要となる植生が地形変化に与える影響を明らかにした. 次年度では,引き続き現地観測を実施するほか,③の課題である地形-表面流と伏流水のカップリングモデルの開発も手掛ける予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,河道内地形の大半を占有する砂州での窒素循環に対象を絞り,砂州の伏流水を通した窒素動態の現象解明と,水理モデルと連結させた窒素動態 (硝化・脱窒)のモデル化を行う.特に,河川に特徴的な攪乱と景観構成(砂州の裸地域,植生域)が,砂州内の窒素動態に与える影響特性について適切に記述 することが目的である. 研究期間の3年間で,具体的に,①洪水による砂州挙動,砂州内土壌環境と伏流水流れ・水質の通年モニタリング,および②景観の違いに応じた伏流水流れの 特性変化に伴う水質変化をみる水理実験と安定同位体比を用いた室内培養実験により窒素動態の変化の特徴を把握,抽出し,③出水と平水時の場や流れの変化に 応じた窒素挙動を記述可能なモデル開発を行う. 平成30年度は昨年度より実施している現地観測や水理実験/室内実験にあたる①,②を継続的に実施した.継続的な観測体制は整っており,今後のモデリングに必要な基礎的メカニズムも見え始めていることから,本課題はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は上記に述べたように主に,現地観測や水理実験/室内実験にあたる①,②を中心に展開した.次年度では,③の課題である地形-表面流と伏流水のカップリングモデルの開発に重きを移し,①②の結果を用いながら手掛ける予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
現地観測にかかるメモリ式水位計を他研究室から貸出頂いたことにより大幅な予算削減が可能となった.次年度では,UAV関連機器および解析モデル構築に向けた構築環境を購入予定である.
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