水道水源として利用される表流水中のノロウイルスGIIとロタウイルスAの存在形態を調査した。表流水試料を1カ所の浄水場において月に1回,21カ所の浄水場において9月及び1月の年に2回の頻度で採取し,孔径10μm及び0.45μmのメンブレンフィルターでろ過することで,懸濁態と溶存態画分のウイルスをリアルタイムPCR法を用いて定量的に検出した。ノロウイルスGII濃度は,懸濁態と溶存態画分で差は認められなかったが,ロタウイルスA濃度は溶存態画分の方が有意に高かった。ロタウイルスAはノロウイルスGIIと比較して懸濁物質への親和性が低く,表流水中において溶存態画分に含まれる割合が多い可能性が示唆された。
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