研究課題/領域番号 |
17K14762
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
焦 瑜 東京都市大学, 工学部, 准教授 (40632493)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地震応答解析 / 連続地震 / 部材解析 / 載荷履歴 / 柱梁接合部実験 |
研究実績の概要 |
鋼構造柱梁接合部の耐震性能を実験で評価するため、漸増変位振幅繰り返し載荷履歴や一定変位振幅繰り返し載荷履歴がよく用いられている。しかし、地震の異なる振動特性、連続地震及び構造物の形態の違いによって地震時に梁部材が経験する変位履歴がランダムになる。部材の累積塑性変形倍率の進展ルートが異なる可能性がある。特に、熊本地震のような、強い前震、本震、余震が短時間に起きた場合、これまでの載荷履歴での評価が不十分である可能性が考えられる。 本研究では、4層鋼構造立体ラーメン骨組を解析モデルとし、日本及びアメリカで発生した4回のマグニチュード6.0~9.0の大地震(前震、余震も含めて)から11波の地震記録を用いて応答解析を行い、連続地震も含めた25ケースの地震動を経験する骨組における柱梁接合部の挙動を調べた。特に、損傷が大きいと思われる累積変形が最も大きい柱梁接合部の応答解析結果に着目して、変位履歴を求めた。 そして、破断も含めて梁部材の挙動を調べるため、梁部材を片持ち梁に置き換えて、得られた変位履歴のもとで梁部材の面内解析を行い、各ケース梁部材の荷重-変形関係及び梁端破断箇所における真歪-真応力関係が得られた。部材解析結果より、2016年熊本地震の益城町前震本震余震ケース以外、本研究で採用された地震波原波を受ける骨組における梁は破断に至ることは見られなかった。しかし、益城町前震本震余震ケース、及び1995年神戸地震の神戸(3回繰り返しケース)・鷹取地震波(2回繰り返しケース)の場合、骨組2階の梁の破断が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画通りに進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
2018年度では、前年度の応答解析結果の上、構造の形態が異なる6層及び8層骨組の解析を行い、ランダムな地震を受ける中低層鋼構造柱梁接合部の挙動を検討し、連続地震動の影響を考慮できる載荷履歴を提案する。提案される載荷履歴を用いて柱梁接合部の静的繰り返し載荷実験を行う。そして数値解析を行い、得られた荷重-変形関係及び歪履歴を用いて、任意の載荷履歴を受ける梁端接合部の塑性変形能力を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
基盤整備で計画していた物品が想定よりも安価で購入できたため。 次年度につきましては、研究を更に発展させるために、データ解析のためのソフトウェアの購入に充当する予定である。
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