本研究では、環境性や意匠性などの観点から注目を集めている微細穿孔板(MPP)と通気性膜(天然・化学繊維素材の通気性のある織編物・不織布)を用いた吸音体により、建築に一般的な非拡散音場の音環境を快適に調整する手段を探求した。高性能な有限要素法に基づく波動音響解析技術により、空間と吸音体を厳密な波動論に基づきモデル化し、非拡散音場における吸音機構の解明と効果的な吸音処理手法の開発を試みた。吸音体はMPP、通気性膜、多孔質材から構成される多様な構造を対象としている。効果的な吸音構造と吸音体配置を示し、より高性能な吸音体を提案した。さらに、いくつかの効率的な音場と吸音体の解析技術を提案した。
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