研究課題/領域番号 |
17K14774
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
朝倉 巧 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 講師 (60778207)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 床衝撃音 / 時間領域差分法 / 波動解析手法 / 曲げ波 / 縦波 / 固体伝搬音 |
研究実績の概要 |
本研究は、時間領域差分法(FDTD)による建築床構造を対象とした振動解析の柔軟性、解析効率およびその解析精度向上を目的としている。床構造は、その一部にコンクリート床スラブ、床板、あるいはこれらを支持する支持脚等を含んでいるため、加振力に応じてその応答が変化するような非線形を有する場合も多く見受けられる。本年度は、支持脚における防振ゴムの振動伝達特性を精度よくモデル化できる解析スキームの構築、支持脚-スラブ間の接触部分における振動伝達の解析スキームの構築、および低次要素と3次元要素の結合スキームの構築の計3点に注力し検討を実施した。 1点目の検討においては、床板とスラブが支持脚を介して振動を伝達する際に、支持脚とスラブの接触部分にバネ要素を導入したFDTD解析手法を構築し、模型実験において計測した防振ゴムを介した振動伝達特性との比較により、その妥当性を検証した。2点目においては、加振直後において、床スラブからの反力によって支持脚が飛び跳ねる現象をモデル化し、これを導入したFDTD解析結果と実験結果の比較により、上記と同様に妥当性を検証した。3点目においては、本年度は3次元弾性要素によるFDTD解析スキームを重点的に検討し、模型実験との比較による妥当性の検証を実施したが、低次要素との結合スキームについては、模型実験との整合性の確認までには至らなかったため、これについては次年度の検討課題として持ち越すこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた初年度の課題のうち、上述した3点については相応の知見を得られ、床板等をモデル化するための積層板要素については検討成果を得られなかったものの、本年度に得られた知見を応用すればさほど困難な課題ではないと考えるため(2)と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の検討では、低次要素と3次元要素の結合スキームの構築、および積層板要素の検討について引き続き検討を実施する。これらと並行して、当初から予定していた実際の床構造の振動伝達特性計測、およびこれを対象とした解析結果との比較検証を実施し、実構造物における本手法の有効性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会の渡航費が不要となったため、次年度使用額が生じた。次年度の国際学会発表の費用の一部として使用する予定である。
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