研究課題/領域番号 |
17K14777
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
梅本 舞子 筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (30746532)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子の一時的な預かり / 託児 / 地域の居場所 / 多機能複合拠点 |
研究実績の概要 |
最終年度としていていた2019年度は、これまでの調査で見出された代替サービス「地域の居場所を活用した地域住民による託児サービス」について、利用者側、並びにサービス提供側への提案検証調査を中心に実施する予定であった。本調査の実施にあたり、予備調査として、先行事例の事業者へのヒアリングや現状の使われ方などの観察を実施した。具体的には、以下の3事例である。 1)子育て世帯の入居促進を目指した団地リノベーション事例について、事業者へのヒアリングと現状観察を実施。これは主に、子育て世帯が集まりやすい地域の居場所の特性を捉えるために実施したものである。民間による団地のリノベーションにおいて市が連携し、団地空き住戸の一部を公設民営の子育て広場として活用したものである。 2)NPO法人による託児や居場所機能も併せ持つ空き家活用型保育園施設について、事業者へのヒアリングと現状観察を実施。NPO等によって運営される地域の居場所で、託児を担うことができるのか、その仕組みのヒントを得るための調査である。また対象事例は、高齢者対象のデイサービスも実施する施設であり、このような高齢者施設と子育て世帯向け施設が一体化することによるメリットと課題について知見を得るべく、調査を実施した。 3)高齢者入所施設や障害者就労施設と一体化した子育て世帯むけ集いの広場について、設計者へのヒアリングを実施。高齢者向けの居場所と子育て世帯むけの居場所が一体化することによるメリットと課題について知見を得るべく、調査を実施した。 以上を踏まえて、本調査に向けた調査項目の整理、仮説の構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は先述のとおり、「地域の居場所等を活用した地域住民による託児サービス」について、利用者側、事業者側双方への提案検証調査を計画していた。しかしながら、代表者のその他の業務が多忙であったこと、また適する調査協力組織を得ることができず、調査を完遂できなかった。そこで研究期間を延長し、首都圏郊外部での公共、並びに民間サービスへの調査を実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまでの調査で見出された代替サービス「地域の居場所を活用した地域住民による託児サービス」について、利用者側、並びにサービス提供側への提案検証調査を中心に実施する。調査対象は、未だ実施できていない首都圏郊外部の公共の一時的な預かりサービス、並びに民間の同サービスを想定している。事業者に対してはヒアリング調査を、そして利用者に対しては、各々100件程度の回収を目指した、サービス利用への希望や、現状の子育て環境を捉えるアンケート調査を実施する予定である。 また、就業状況や祖父母世帯との近居の有無、受けているサポートの内容など育児環境の違い、そして物理的な住環境の違いとの関係を捉える分析を深化させることを目的に、利用者自宅への訪問インタビュー調査も50件程度実施することを目指している。このことを通して、閉鎖的住環境の弊害についての詳細分析も進める。 以上を通して、育児サービスへのニーズの違いを構造的に明らかにしつつ、拡充すべき地域の子育て支援ネットワークのあり方への提案、並びに開放型住環境の必要性についても言及するものである。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者のその他の業務が多忙であったこと、また適する調査協力組織を得ることができず、調査を完遂できなかったことが原因である。本年度、2019年度に実施予定であった残りの調査を実行することで、残額を全て使用する計画である。
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