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2017 年度 実施状況報告書

広域連携自治体における施設総量縮減のための立地評価法開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14782
研究機関首都大学東京

研究代表者

讃岐 亮  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (10609811)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード公共施設マネジメント / 施設再編 / 統廃合 / 立地 / GIS / 広域連携
研究実績の概要

29年度は施設情報をGIS上のデータベースとして整理し、人口分布との空間的位置関係について定量化することを目的として進めた。具体的には、秩父市、浜松市、前橋市、廿日市市、会津若松市、酒田市、長崎市といった過去に合併した自治体、および施設の共同利用を行う長野市とその周辺自治体といった地域において、主要な公共施設を対象に、建築年度、延床面積、住所情報といった基本的な施設情報を収集した。また、人口分布情報については、総務省が平成25年度の国勢調査結果を公表したことから、これを基に対象地域の人口、世帯等の情報を整理した。
具体的な成果として、建築生産シンポジウムで「公共施設マネジメントの視点における一部事務組合等の広域化による効果について」という題目の論文を発表した。長野市における広域連携の事例として一部事務組合という仕組みに着目し、基礎的な情報を整理したものである。30年度は、この情報を基に「施設立地」の評価方法の分析を進め、本プロジェクトの一助とする予定である。
長崎市では、市と緊密に連携をとっており、市民ワークショップの形で施設再編を検討、計画策定に関与している。このプロジェクトを通じて、自治体が近未来に描く統廃合の対象施設情報の詳細を得ることができ、かつ傾斜地という特有の地形要因を有する長崎市において、施設立地と統廃合、旧市と旧町との連携の在り方について情報を整理している。
酒田市においては、学校の統廃合に関する調査を行い、集約再編の際の選択に与える施設立地の影響について基礎的情報を収集した。複式学級化か、あるいは統廃合を受け容れるか、という選択の際に、学校の立地が与える影響を捉える研究として、本年度に深化させる予定である。
発展的研究として、台北における公的住宅(整建住宅、国民住宅)の立地と、生活利便施設や公共施設との位置関係を、立地の観点から評価した論文も海外で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

進捗状況を①対象自治体との協力体制、②作業進捗、③論文投稿、④社会還元、の4つに分けて以下に自己診断する。
まず①については、研究申請の段階で想定していたよりも多くの自治体と協力体制を敷いており、施設に関する詳細な情報を整理できている。関連して②について、作業スピードは想定の通りであるため、自治体数が増えた分については現在整理中である箇所もある。実際には次のフェーズに進んでいる自治体もあるが、29年度までに終えておく予定だったフェーズもあることから、フェーズ移行という観点からは、多少の遅れがあるとも言える。
次に③については、既に建築生産シンポジウムで発表した論文があり、これは本研究プロジェクトに直接関係するものである。また、30年度も論文投稿を複数予定しており、既にその準備にとりかかっているところであるため、順調と言える。最後に④については、既にいくつかの自治体で施設再編のプロジェクトを進めており、本研究プロジェクトで得る予定の知見・技術を応用する場を形成できないか、担当者と調整しているところである。社会実装については当初は想定していなかったが、少なくとも検討の場は得られる感触がある。

今後の研究の推進方策

当初の想定に概ね近い進捗となっているため、想定通りに研究を進める予定である。
なお、30年度に計画していた評価方法の開発と自治体への提案について、特に後者の検討の場として、市民ワークショップ等があり得るため、その提案も企図している。また、上記の通りに、研究論文の発表・投稿も複数予定しており、そちらからの社会還元も行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件)

  • [国際共同研究] 台北科技大学/高雄第一科技大学(台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      台北科技大学/高雄第一科技大学
  • [雑誌論文] 公共施設マネジメントの視点における一部事務組合等の広域化による効果について2017

    • 著者名/発表者名
      池澤龍三,堤洋樹,讃岐亮
    • 雑誌名

      第33回建築生産シンポジウム論文集

      巻: - ページ: 59-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Study on Location of Resettlement Housing in Taipei City2017

    • 著者名/発表者名
      Ryo SANUKI, Hong-Wei HSIAO, Shih-Hung YANG, Ping-Chuan HSEIH
    • 雑誌名

      2017 International Conference on Architecture Engineering and Environmental Design

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Study on Adaptation of the Neighborhood Theory for Resettlement Housing in Taipei City Focusing on their Location and Accessibility2017

    • 著者名/発表者名
      Ryo SANUKI, Hong-Wei HSIAO, Shih-Hung YANG, Ping-Chuan HSEIH
    • 雑誌名

      2017年第十一屆物業管理研究成果發表會論文集

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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