研究課題/領域番号 |
17K14794
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 松ノ井覚治 / W・M・ヴォーリズ / 山形県立工業学校 / 早稲田大学 / ボザール・インスティテュート・オブ・デザイン / The American Architect |
研究実績の概要 |
平成29年度は、松ノ井覚治の国内外における活動について調査を進めた。国内については、学生時代とヴォーリズ建築事務所時代について調査をおこなった。 学生時代については、京都工芸繊維大学美術工芸資料館が所蔵する松ノ井覚治関連資料をあらためて分析したほか、山形県立工業学校時代に受けた建築教育の内容についても調査した。山形県立工業学校では卒業設計として伝統的な二階建木造住宅の設計に取り組んでいたことが明らかとなった。すなわち、松ノ井は山形県立工業学校時代に伝統的な木造建築についての素養を身につけ、早稲田大学において西洋由来の建築を本格的に学んでいったと思われる。 ヴォーリズ建築事務所時代についての資料収集を進めた。ご遺族からこの時期に松ノ井が関与した作品について情報提供いただき、その調査を進めている。計画していたご遺族へのインタビューは実施できていないが、文書を通じて情報提供をいただいている。 国外については、今年度はアメリカでの調査も予定していたが、調査準備の進捗を鑑みて訪問を見送った。一方で国内に所蔵されている『The American Architect』誌の閲覧を通して、松ノ井および松ノ井が参加していたボザール・インスティテュート・オブ・デザインの活動について調査をすすめた。 以上の成果は、拙稿「松ノ井覚治が残した建築図面:戦間期のニューヨークに馳せた青年建築家の足跡」(『描かれた都市と建築』昭和堂、2017年12月)に反映されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたアメリカへの訪問調査が実施できなかった。アメリカでの調査は平成30年度以後も計画していたため、以後の調査と組み合わせて実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では計画していた小寺工務店時代および松ノ井建築設計事務所時代について調査を進めるとともに、平成29年度に進めてきた調査を継続する。アメリカへの訪問調査については現地での調査内容を再検討し、平成29年度に予定していた調査をあわせて実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度計画していたアメリカへの訪問調査が本務の関係で実施ができなかったため残額が生じた。次年度以後に計画している訪問調査と合わせての実施することを計画しており、今年度の使用残額はそれに充当する予定である。
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