本研究では原子クラスターの構造・物性の探索と原子クラスターを原子1つとしてとらえ、人工的な結晶を設計することに従事した。最終年度はこれまでの研究期間内で得られた知見・技術を触媒科学や2次元材料に応用することに焦点を当てた。 最終年度では、第一原理計算により異なる2次元材料h-BNとPの材料を重ね合わせたサンドイッチ状の原子2レイヤーからなる2次元材料を作成した。この2次元材料はバンドギャップが2.4eVであるが、ここに原子クラスターをレイヤーの間に埋め込むことによりバンドギャップが変化することを発見した。そこで10の異なる元素の原子クラスターを配置したところ、Na、Pd、Ptクラスターはバンドギャップを1.5-1.8eVに制御できることを発見した。その他にもTiFeクラスターに対してZr原子を置換することにより水素の吸着を向上させることも発見した。このように異なる原子クラスターを加えることにより材料物性を大きく変えることができることが示された。 またこれまでの研究で機械学習を中心としたマテリアルズインフォマティクスは原子クラスターの成長を予測など、とても有効な手法であることが示された。最終年度は本研究期間内で得られた機械学習手法などを触媒設計などに展開し、新規メタン酸化カップリング反応の触媒などの予測などへの展開にも成功した。 ることができることが示された。 このように本研究では原子クラスターから人工結晶の設計、2次元材料への展開、そらには機械学習などのマテリアルズインフォマティクス手法を触媒科学に展開するなど大きな進展があった。
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