材料中のドーパント原子の三次元分布解析は、材料特性を理解する上で重要である。本研究は、HAADF-STEM法において、デフォーカス量を細かく変化させ、取得した像強度プロファイルを解析することでドーパントの空間分布を解析する、「スルーフォーカスHAADF-STEM法」を開発し、Ca-α-SiAlON蛍光体中のEuドーパント原子の空間分布を解析した。マルチスライス法による像計算より、電子線の収束半角が大きいほど原子カラムへの電子チャネリングの影響が少なくなり、焦点深度が浅くなることから、深さ分解能が向上した。実際の観察から得られた各原子カラムの像強度プロファイルより、Euの侵入位置を解析できた。
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