• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

レアアースフリー酸化亜鉛系白色蛍光ナノヘテロ細線の創製と設計

研究課題

研究課題/領域番号 17K14806
研究機関東北大学

研究代表者

川島 知之  東北大学, 工学研究科, 講師 (40708450)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード蛍光体 / 薄膜 / 紫外光励起 / 酸化亜鉛 / 青色
研究実績の概要

紫外光励起白色LEDへの適用を目的とするレアアースフリー酸化亜鉛系蛍光ナノ細線のベースとなる黄色及び青色蛍光薄膜の内、平成29年度はタングステンを含む青色蛍光体薄膜形成プロセスについて研究を重点的に推進した。タングステンを導入した亜鉛タングステート(ZnWO4)は460nm付近に発光ピークを持ち、既に一部研究が進行していた黄色蛍光体材料(亜鉛オルトバナデート)の補色を呈する事を期待した。本薄膜は、金属タングステンチップを配置した酸化亜鉛ターゲットを用いてRFマグネトロンスパッタリング法により石英基板上に堆積する。その後、酸化雰囲気中で短時間のランプ加熱処理を施し、蛍光体とする。熱処理前の薄膜は極度の酸素欠乏状態であり、酸化プロセスを経て初めて蛍光を呈する。薄膜中のタングステン対亜鉛モル比率は約0.3から7.0、熱処理温度は700-900℃の範囲として試作したところ、熱処理温度は酸化を促すために高温であるほど内部量子効率が増加した一方、モル比率は酸化物組成を変えるために内部量子効率に強く影響することが分かった。本蛍光体薄膜はZnWO4だけでなくWO3も含むが、WO3を多く含む場合に量子効率はほぼ0%にまで低下した。文献によると粉状WO3の内部量子効率は数十%と示されており、本薄膜においてその蛍光作用が消失する機構については引き続き検討が必要である。WO3比率が低い蛍光体膜では最高で40%の内部量子効率を示した。この膜の発光色を色度座標で表すと(x, y)=(0.21, 0.29)である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

紫外光励起により青色を呈するW-Zn-O系高量子効率蛍光体薄膜の形成プロセスを見出すという所期の目的を達成できたため、おおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

次年度は研究課題の計画に則り、黄色蛍光体薄膜と青色蛍光体薄膜をリソグラフィにより細線化し、微細線状加工が発光様態に及ぼす効果を検討する。さらに、リソグラフィを用いずに膜を単純積層した場合の発光様態も比較調査する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Formation and properties of luminescent oxide films on SiO22018

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Kawashima, Katsuyoshi Washio
    • 学会等名
      11th International WorkShop on New Group IV Semiconductor Nanoelectronics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] W-Zn-O青色蛍光体薄膜中の金属組成と発光特性の関係2018

    • 著者名/発表者名
      木村 惇志, 川島 知之, 鷲尾 勝由
    • 学会等名
      第65回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] W-Zn-O青色蛍光体薄膜結晶成長に及ぼす金属組成の影響2018

    • 著者名/発表者名
      川島 知之, 木村 惇志, 鷲尾 勝由
    • 学会等名
      第65回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] 急速加熱処理によるW-Zn-O青色蛍光体薄膜の形成2017

    • 著者名/発表者名
      川島 知之, 鷲尾 勝由
    • 学会等名
      第78回応用物理学会秋季学術講演会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi