ポーラスアルミニウムコアサンドイッチパネルは軽量構造材料として高いポテンシャルを有している.しかしながら,ポーラスアルミニウムの材料コストや生産コストが高いため,ポーラスアルミニウムコアサンドイッチパネルの使用用途は,宇宙分野に限られている.本研究では溶湯直接圧延プリカーサ法を提案し,ポーラスアルミニウムコアサンドイッチパネルの作製を試み,提案法の有用性を確かめるとともに,ポーラスアルミニウムの圧縮強度およびポーラスアルミニウムコアサンドイッチパネルの曲げ強度を評価した. (1)ADC12アルミニウム合金溶湯に粒子径約1μmのアルミナ粉末を増粘剤として,粒子径45μm水素化チタン粉末を発泡剤として添加し,撹拌翼を用いて均一に分散した溶湯を縦型圧延機に注湯することにより,増粘剤および発泡剤が均一に分散したプリカーサを得ることができた.得られたプリカーサより試験片を切出し,948 Kで7 min保持する発泡試験を8回行った結果,平均気孔率60 %のポーラスアルミニウムの作製に成功した.気孔率の標準偏差は3.3 %であった. (2)溶湯直接圧延プリカーサ法を用いて作製したプリカーサをP1050アルミニウム合金板材ではさみ,圧下率50 %のクラッド圧延を施すことでスキン付きプリカーサを作製した.同様にSUS304板材をスキン材として接合したスキン付きプリカーサも作製した.スキン付きプリカーサを加熱保持することにより,気孔率約50 %のポーラスアルミニウムコアサンドイッチを得ることに成功した. (3)溶湯直接圧延プリカーサ法で作製して得られたポーラスアルミニウムの圧縮試験および,ポーラスアルミニウムコアサンドイッチの曲げ試験を行った.溶湯直接圧延プリカーサ法を用いて作製したポーラスアルミニウムおよびポーラスアルミニウムコアサンドイッチの強度特性を評価することに成功した.
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