本研究では、Liアミド・イミドなど無機系水素化物に代表される高重量水素密度の水素貯蔵材料を取り扱った。結果として,Liアミド・イミド系にはチタン酸リチウムなどを添加することで,水素放出反応速度が向上し,この反応速度向上はLiイオン電導度の向上と強く相関することが判明した。一方,アラネート系材料には,チタン酸リチウムを入れることで水素放出反応速度を向上させることが出来たが,リチウムイオン電導度の向上とはほとんど相関が見出せなかった。即ち,無機系水素化物の水素放出反応の律速はそれぞれ異なり,リチウムイオンの拡散が律速となる場合にチタン酸リチウム等の添加物が有効であるという知見が得られた。
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