研究課題
高速作動-高容量Mg水素貯蔵材料を目指すため、バルクMg中に生成する内包MgH2の生成メカニズムを明らかにすることを目的とした。具体的な成果として、インサート材として開発を進めていたTi系合金の触媒能を有機化学反応や表面分析を進めることによって、明らかにすることができた。また、最終年度では、特に内包MgH2生成への反応ギブズエネルギーの影響を明らかにすることができた。インサート材として用いるTi系合金は、Ti-(0-1)mol%Pd合金を用い、表面分析によって表面上でPdがTi酸化皮膜直下で濃化していることを明らかにした。また、H2O2処理を進めることによって、表面のTi酸化物を溶出することができ、水素化能が上がることを報告した。これらの触媒能については様々な有機物変換反応を適用することで明らかにし、特に水素化-微粉化による活性能の向上についても明らかにすることができた。これらの結果から、水素吸蔵-放出の高速作動用キッカーとしての役割を果たすことが期待される。反応ギブズエネルギー(ΔrG)が及ぼす内包MgH2生成への影響については、ΔrGを水素圧力で制御し、印加範囲を-4.15kJ mol-1~-8.31 kJ mol-1とした。分析には、表面近傍で生成したMgH2(sur)とバルク金属内部で生成したMgH2(int)(内包MgH2)をそれぞれ光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて評価した。その結果、ΔrGが小さいほどMgH2(int)の平均粒径とMgH2(sur)の平均厚さが大きくなった。試料表面がMgH2(sur)の最小値がゼロ以上になった時間を、試料表面全体が全てMgH2(sur)で被覆された時間とみなして評価すると、ΔrGが小さいほど覆われる時間が長時間になる傾向がみられた。
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