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2018 年度 実施状況報告書

曲げ強度10倍を達成する次世代型積層鋼板の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14844
研究機関鳥取大学

研究代表者

松野 崇  鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30781687)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード曲げ変形 / 高強度 / 2相組織鋼
研究実績の概要

2018年度の取り組みは年初の計画通り進めることができた.
2相組織鋼の硬質組織調整による異方性発現についてさらにミクロスケールシミュレーションを進め,疑似的な繊維状モデルについても異方性を解析した.結果として,延伸組織による異方性発現が10%ひずみ以下の低ひずみ以下でしか発現しないこと,および組織延伸は強度の低下をまねく知見を得た.助成当初の曲げ性を発現するような異方性については残念ながら2相組織では得ることが出来ない結果が判明したことになる.
加えてBao-Wirzbickiの延性破壊モデルを組み込んだシミュレーションも実施し,延伸組織においては第2相の損傷が進みやすくなることを知見した.昨年度解析した高強度を発現する硬質組織連結モデルは延伸組織よりも損傷が小さい結果が得られ,新たな材料設計の指針を得ることができた.延伸組織はそれ単体ではマイナスの効果であったが,延伸組織と連結組織の相乗効果によって高強度化と高延性化が発現することが明らかになった.
高強度を発現するメカニズムとしては,硬質組織にどの程度変形が集中するかという点に加え,軟質組織が加工硬化することで新たな硬質組織の役割を担う事が解析より示唆されている.硬質組織の変形が大きいと逆効果となる点は新たな知見となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画当初の予定から変更とはなっているが,論文投稿可能なレベルの新たな知見がいくつか得られている.また,いくつかの改良を経てシミュレーション手法も確立されてきており,同様,あるいは発展的な解析を実施できる土台を整えることができた.

今後の研究の推進方策

2020年度においては硬質組織分布の条件を増やしたうえで解析結果を裏付けたうえで論文投稿を進め,次期のテーマ化を目指し2相化以外の異方性発現組織形態について探索を進める.予算的に可能であれば実験による解析結果の検証を実施したい.

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会発表をキャンセルしたため,その分は今年度使い切れなかった.次年度に学会発表(鉄鋼協会の講演大会)を行う事を予定しており,その旅費に使用したい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 数値計算を用いたDual Phase鋼異方性に及ぼす硬質組織形態の影響の解析2018

    • 著者名/発表者名
      吉岡知哉,松野崇,Luis Alves
    • 学会等名
      日本塑性加工学会

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公開日: 2019-12-27  

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