本研究では、非定常状態における臓器を対象とした代謝フラックス解析法および代謝調節解析手法を新規に開発した。糖負荷後のマウスの肝臓について、非定常代謝フラックス解析および代謝調節解析を実施した結果、飢餓時の肝臓の糖新生フラックスは大きいのに対して、糖負荷後の肝臓の解糖フラックスは小さかった。さらに、野生型と肥満型マウスの代謝の違いは、多くの反応が酵素量に依存する一方で、グリコーゲン代謝の反応は基質・生成物代謝物量に依存していた。 また、上記で開発した手法を脂肪培養細胞への適用し、インスリンにより脂肪細胞ではGlut4の細移行により解糖系が活性化する一方で、TCA回路は変化しないことを明らかにした。
|