酸素に応答する代謝経路のスイッチング機構の解明と新規バイオプロセスへの応用

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17K14866
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 生物機能・バイオプロセス
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 柘植 陽太 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (00647422)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 代謝スイッチ / コリネ型細菌

研究成果の概要

本研究では酸素を代謝スイッチとして用いることで、コリネ型細菌の解糖系とペントースリン酸経路の切り換えに成功した。解糖系とペントースリン酸経路の切り換えは分岐点であるグルコース-6-リン酸を基質とするグルコース-6-リン酸イソメラーゼ遺伝子のプロモーターを置換することで実現した。本代謝スイッチを用いることで、樹脂原料であるカダベリンとコハク酸を好気条件と嫌気条件それぞれ効率的に生産する菌株を作製した。

自由記述の分野

代謝工学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では酸素という環境因子をスイッチとして用いることで、微生物の中央代謝経路を酸素レベルに応答して自動的に切り換える回路を設計した。本システムを用いることで、樹脂原料として注目されているカダベリンとコハク酸を好気条件下と嫌気条件下で効率的に生産する菌株を作製することに成功した。本システムで確立した代謝スイッチは他の有用化合物の生産にも利用可能であるため、高い汎用性を持つと考えられる。