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2017 年度 実施状況報告書

接着ナノファイバー蛋白質のグラム陰性菌外膜における再構成法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K14868
研究機関名古屋大学

研究代表者

石川 聖人  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70750602)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードナノファイバー蛋白質 / アドヘシン / 外膜蛋白質 / オートトランスポーター / Acinetobacter
研究実績の概要

グラム陰性細菌Acinetobacter sp. Tol 5の細胞表層に存在する接着ナノファイバー蛋白質AtaAは、微生物細胞に極めて高い接着性を付与する。それゆえ、AtaAファイバーの生えた微生物はあらゆる表面へ容易に固定化できるようになるため、バイオプロセスへの利用価値が高まる。しかし、現状では一部の細菌種(Acinetobacter)でしかAtaAファイバーを生やすことができない。本研究の目的は、AtaAファイバーをあらゆるグラム陰性菌の細胞表層に生やす方法論を確立することである。平成29年度はAtaAの分泌関与遺伝子の探索をまず実施した。
(1)トランスポゾン変異誘発によるAtaA不毛変異株の探索: AtaAファイバーを生やすことのできるAcinetobacter baylyi ADP1にランダム変異を加えることのできる実験系を確立し、多くの変異株を得えた。
(2)AtaA不毛Acinetobacter族細菌の特定: これまで検討してきた全てのAcinetobacter族細菌はAtaAファイバーを生やすことができていた。ある遺伝子の存在有無を手がかりとして検討したところ、Acinetobacter oleivorans DR-1は同族細菌であるにも関わらず、AtaAファイバーを安定に発毛することができないことが明らかとなった。
(3)遺伝子発現の網羅的解析:ataA遺伝子と共発現する遺伝子はAtaA分泌に関与するであろうという考えのもと、RNA-seqによる遺伝子発現解析を検討している。今年度は解析の条件検討を行い、ataA遺伝子が高発現となる増殖期と比較的低発現である増殖を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初目標としていたAtaA分泌関与遺伝子の特定には至らなかったため。

今後の研究の推進方策

ADP1株のランダム変異株ライブラリーのなかからAtaAファイバーを生やすことのできない変異株をスクリーニングする。加えて、DR-1株とADP1株のゲノム情報を比較し、AtaA分泌への関与が疑われる候補遺伝子を解析する。つまり、順遺伝学と逆遺伝学の両輪でアプローチすることにより、前年度に達成できなかったAtaA分泌関与遺伝子を特定する。

次年度使用額が生じた理由

サンプル調整や条件検討に時間を費やしたことで、計画していたRNA-Seqの委託解析を前年度中に実施することができなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 微生物触媒の固定化を目指したナノファイバー蛋白質AtaAの小型化2017

    • 著者名/発表者名
      青木壮太, 吉本将悟, 石川聖人, 堀克敏
    • 学会等名
      第69回 日本生物工学会大会
  • [学会発表] ホモ三量体ファイバータンパク質AtaAの菌体外分泌生産の検討2017

    • 著者名/発表者名
      唐鎌智也,石川聖人,吉本将悟,堀克敏
    • 学会等名
      第69回 日本生物工学会大会

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公開日: 2018-12-17  

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