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2018 年度 実績報告書

大腸菌の細胞外小胞と自己集合体形成に着目した有用物質生産プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14869
研究機関大阪市立大学

研究代表者

尾島 由紘  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (20546957)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード細胞外小胞 / OMV / 外膜小胞 / 大腸菌 / タンパク質分泌 / フロック / グリセロール
研究実績の概要

1. 細胞外小胞OMVsの産生向上とタンパク質生産
前年度は,ペプチドグリカン層の構造維持に関与するnlpI遺伝子と外膜脂質の外層と内層の非対称性を高めるyrbE(mlaE)遺伝子との二重欠損株が,野生株と比較して約30倍のOMVsを産生量することを明らかにした.本年度は,二重欠損株を用いて,まずはモデルタンパク質であるGFPを発現させたところ,培地中に3.3 mg/Lの濃度で分泌可能であった.続いて,有用タンパク質であるヒトインターフェロンも同様の方法で発現させたところ,GFPと比較して大幅に濃度が低下したが約10 μg/L程度で分泌可能であることを確認した.また,OMVsによって分泌されたインターフェロンは水溶性であり,Hisタグを用いた精製も可能であったため,フォールディングが正しく行われていた.以上の結果より OMVs現象がタンパク質分泌ツールとして利用可能であることを実証した.
2. フロック形成機構の解明とその応用技術の開発
前年度は,ペリプラズムプロテアーゼをコードする遺伝子degPの欠損株で誘引される大腸菌フロックは,グリセロール添加に対して濃度依存的に形成量が増加することを明らかにした.そこで本年度はグリセロールによるフロック形成の促進機構の解明を目指した.グリセロールの培養液中への添加効果としては,基質としての利用,粘性の増加,忌避物質応答の誘引などが考えられた.まずフロック形成前後でグリセロール濃度は変化しておらず,基質として利用されていなかった.それにより培養液粘度は高いままであるため,同等の粘度を示す濃度のカルボキシメチルセルロースやポリビニルピロリドンを添加したが,フロック形成は促進されず粘度の影響ではないことがわかった.続いて,グリセロールと同じポリオールであるエチレングリコールを添加したところ,濃度依存的にフロック形成が促進された.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inducing flocculation of non-floc-forming Escherichia coli cells (Review)2018

    • 著者名/発表者名
      Y. Ojima, M. Azuma, M. Taya
    • 雑誌名

      World J. Microbiol. Biotechnol.

      巻: 34 ページ: 185

    • DOI

      10.1007/s11274-018-2563-z

    • 査読あり
  • [学会発表] 共培養による大腸菌フロック内への酵母の取込み2019

    • 著者名/発表者名
      尾島由紘,本間裕章, 大塚未音, 東雅之
    • 学会等名
      化学工学会第84年会
  • [学会発表] 微生物の外膜小胞の分泌と凝集体形成の関連性2018

    • 著者名/発表者名
      尾島由紘, 東雅之
    • 学会等名
      膜シンポジウム2018
  • [学会発表] 大腸菌外膜小胞を介したIFNの分泌生産2018

    • 著者名/発表者名
      児波克哉, 澤邊朋美, 尾島由紘, 東雅之
    • 学会等名
      膜シンポジウム2018
  • [学会発表] 大腸菌の細胞表層改変による外膜小胞大量分泌株の構築2018

    • 著者名/発表者名
      澤邊朋美, 児波克哉, 尾島由紘, 東雅之
    • 学会等名
      日本生物工学会大会平成30年度大会
  • [学会発表] 培地成分が大腸菌フロック形成に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      本間裕章, 大塚未音, 尾島由紘, 東雅之
    • 学会等名
      日本生物工学会大会平成30年度大会
  • [備考] 代表者所属研究室HP

    • URL

      http://www.bioa.eng.osaka-cu.ac.jp/bie/index.html

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公開日: 2019-12-27  

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