研究課題
レーザー核融合磁気推進では核融合で生じる高温・高密度プラズマを磁場により排出し(磁気ノズル) 推力を得る。この推進原理検証のため、平成29年度までは、(1)磁気ノズル内プラズマ計算コードの改良、(2)磁気ノズル形状の違いによる排出方向、効率の検証、(3)数値計算コード検証のためのプラズマパラメータの精密測定を中心に研究した。平成30年度は、プラズマ排出方向制御の検証のため、新たに広島大学との共同実験を開始し、複数コイルを用いた磁気ノズルを用いたレーザー生成プラズマ制御実験を行った。本実験において、圧電素子を用いた推力の直接計測を試み、多方向の推力計測が可能であることを示すデータ取得に成功した。また、プラズマパラメータ計測の改良を試み、プラズマ流速ベクトルを取得するため、2次元レーザートムソン散乱計測の原理実証を行った。また、本研究において、高電磁ノイズ下でも安定動作可能な電磁石システムを開発し、論文発表を行った[Edamoto et al., Rev. Sci. Instrum. 89, 094706 (2018)]。さらに、前年度から開始した、プラズマデタッチメントの検証のため、発散磁場中における膨張プラズマを計算する粒子コードを開発した。本コードを用い、電子・イオンのデタッチメントを実験的に検証するための理論を構築し(修士論文として発表)、実験結果との比較を目指したシミュレーションを目指している。実験的にデタッチメントを検証するため、プラズマ流速を取得するため、レーザートムソン散乱の非協同散乱(電子の速度分布)の取得に成功した。さらに、小型(およそ1mm程度)の磁気プローブを開発し、レーザー生成プラズマ中のような電磁ノイズ下でも磁場計測が可能であることを検証した。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
Review of Scientific Instruments
巻: 89 ページ: 094706
10.1063/1.5049217