航空機CFRP構造の雷撃損傷は構造安全性に係る重要課題であるが,未だ雷撃損傷の詳細なメカニズムの解明と,複雑に連成する様々な物理現象を評価可能な数値解析モデルは確立されていない.本研究では,雷撃時の衝撃波がCFRPの雷撃損傷挙動に与える影響に着目した.衝撃波の伝播挙動の可視化による観察により,衝撃波の伝播速度が材料の導電率と相関を有する事を示した.また,DICによる雷撃時の供試体の変位測定より,損傷が生じる場合に周波数変化を伴う振動波形となることを示した.一連の結果から,衝撃波のみでは供試体の破壊は生じず,衝撃波はジュール発熱等他の要因によって発生した損傷の進展に寄与していることが示唆された.
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