本研究では、船体運動に対する流体による反力の過去の履歴影響(メモリー影響)に着目しながら、波浪中を航行する船の操縦運動を含む6自由度船体運動を適切に推定しうる計算法を開発した。新たに実施した自由航走模型試験との比較から、①メモリー影響を無視して流体反力をある1つの周波数で代表することは必ずしも適切でないこと、②従来の耐航性能分野で検証されている線形理論におけるインパルス応答関数の畳み込み積分によるメモリー影響関数を考慮することで,船体動揺や波による航跡の漂流ならびに平均的な船速低下等の推定精度が改善されることを明らかにした。
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