研究実績の概要 |
本研究の目的は,トーラスプラズマにおいてL-H遷移の際に発生する電場の生成機構を実験的に明らかにすること,及び,電場と乱流の相互作用を解析し,乱流輸送抑制のメカニズムを明らかにすることである.本年度は計画の最終年度とする予定であったが,成果を公表するための国際学会参加がCOVID-19の影響で叶わなかったため,計画を1年延長することとした.得られた成果を,以下に列挙する.(1)近年のL-H遷移のメカニズム研究の動向をレビューした[T. Kobayashi, Nucl. Fusion 60 095001 (2020)], (2)閉じ込め改善現象の1つである電子内部輸送障壁の形成原理およびその強度の水素同位体質量依存性を実験的に明らかにした[T. Kobayashi+, Nucl Fusion. 60 076015 (2020), T. Kobayashi+. Plasma Fusion Res. 15 1402072 (2020)],(3)同位体効果を解明するため,大型ヘリカル装置LHDに,透過波長可変型大口径干渉フィルタを持つビーム放射分光計測システムを導入した[T. Kobayashi+, Plasma Phys. Control. Fusion 62 125011 (2020)],(4)乱流非線形素過程を明らかにするため,基礎装置で摂動実験を行なった[T. Kobayashi+, Phys. Plasmas 27 062309 (2020)].
|