研究実績の概要 |
本研究の目的は、トーラスプラズマにおいてL-H遷移の際に発生する電場の生成機構を実験的に明らかにすること、及び、電場と乱流の相互作用を解析し、乱流輸送抑制のメカニズムを明らかにすることである。COVID-19の影響を受け2年間の計画延長を行い、本年度が計画の最終年度となった。 得られた成果を、以下に列挙する。(1) LHD装置の電子内部輸送障壁(ITB)の同位体効果を明らかにするため、重水素と軽水素でそれぞれ生成したプラズマの比較実験をおこなった。重水 素プラズマでは電場構造が形成されやすく、(ITB)遷移が起こりやすいことを示した[T. Kobayashi et al., Sci. Rep. 12, 55o7 (2022)]。(2) JFT-2M装置にお いて、電場構造とGAMの相互作用を解析した。LH遷移前の周辺電場揺動が、乱流伝播を介して非局所的にGAMの励起に影響を与える可能性を議論した[T. Kobayashi et al., Plasma Phys. Control. Fusion 64, 144002 (2022)]。
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