本研究は核融合発電を実現する上で要となる中性粒子ビーム入射加熱装置の高性能化に関する研究である。核融合炉に必要とされる中性粒子ビームは 1 MeV を超える高エネルギービームであり、プラズマに入射するまでに長距離輸送しなければならず、ビーム損失を抑えるために発散角の小さい良質のビームを生成することが最重要課題である。本研究では、ビームの広がりを決める初段の静電レンズである、負イオン引出界面の形状を制御する鍵となるプラズマパラメータが負イオン密度であることを初めて見出した。これにより、核融合炉用負イオン源に要求される低発散ビームの実現に向けて、研究開発への指針が明確になった。
|