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2018 年度 実績報告書

スクリーニング検査のためのベータ線弁別プラスチックシンチレーションカウンタの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14913
研究機関福島県環境創造センター

研究代表者

菅井 裕之  福島県環境創造センター, 研究部, 副主任研究員 (90707001)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードストロンチウム90 / トリチウム / ベータ線 / プラスチックシンチレータ / 同時計数 / スクリーニング
研究実績の概要

福島第一原子力発電所事故の影響で発生している汚染水は増加の一途をたどっている。将来的に汚染水の処理をするためには、一定基準の放射能を含むか否かのスクリーニング検査が必要になると予想される。放射性核種のうち、ベータ線しか放出しないために難測定核種として知られる Sr-90 およびトリチウムのスクリーニング検査の実現を目指し、検査装置の開発に従事した。
目指した装置のイメージは、簡易的な液体シンチレーションカウンタ (LSC) である。LSC は複数の光センサーで試料を囲み、それらが同時に反応したときだけデータを取得 (同時計数) することでバックグラウンドが大幅に低減される。一方、LSC の欠点は液体シンチレータのクエンチング (発光量の減衰) と廃液の問題である。これらに対し本研究では、同時計数法を採用してバックグラウンドを下げ、液体シンチレータの替わりにプラスチックシンチレータ (PS) を使用することでクエンチングと廃液の問題を解消した。
検査装置のプロトタイプはモジュール化されている電子回路を組み合わせ、光センサー 2 本による同時計数回路を構築した。試料とプラスチックシンチレータを入れる容器としては、測定に有利な材質と形状にするために特注のガラスセルを用意した。
実験の第一段階として、塩化カリウム KCl 水溶液の濃度を変えて測定した。KCl には天然の放射性核種である K-40 が含まれているため、本研究で構築した装置で測定することができる。その結果、K-40 の放射能 (Bq) と計数率 (cps) の間によい直線性が見られた。さらに、同様の測定を繰り返した結果、再現性もあり、一定の換算係数が得られることがわかった。そして Sr-90 溶液を使った測定でも、放射能と計数率によい直線性が見られ、本手法で Sr-90 のスクリーニングが可能であることが示された。

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公開日: 2019-12-27  

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