溶媒抽出の近似モデル界面、空気/抽出剤/水相の気液界面に振動和周波発生分光法を適用し、金属が水相から有機相に移動する機構の解明を目指した。ジ-2-エチルヘキシルリン酸(HDEHP)抽出剤を用いたランタノイド(Ln)の溶媒抽出系では、界面でLnはHDEHPと水分子に挟まれた錯体を形成することを明らかにし、この界面錯体の形成が有機相へのLn抽出を誘起する溶媒抽出機構を提唱した。一方、リン酸トリブチル(TBP)抽出剤を用いたウラン(VI)の溶媒抽出系では、ウラン(VI)-TBP界面錯体は形成しないことを明らかにし、ウラン(VI)-TBP錯体は有機相中で形成する機構を提唱した。
|