研究実績の概要 |
本研究の目的は、有機ランキンサイクルなどの従来の発電方法では対応できない、常温付近の熱源を利用する新たな発電システムを提案することである。CO2ハイドレートは、常温付近のわずかな温度差によって生成・解離し、多量のCO2を吸収・放出するという、特異な特性を有する。そこで、放出されるCO2によってアクチュエータを駆動して発電する、常温付近の自然エネルギーを熱源とする発電装置(以下、CO2-H発電システムとする)の開発を行う。本研究では特に、生成促進剤が生成条件を高温・低圧側にシフトする効果がCO2-H発電システムのエネルギー貯蔵速度とエネルギー貯蔵量に及ぼす影響について、実験と数値解析の結果をもとに検討を行い、CO2-H発電システムの冬季における稼働日数の拡大を目指す。 本年度に実施した内容を以下に記す. ○CO2ハイドレートの相平衡圧力の計測装置の構築 CO2ハイドレートの生成実験装置を構築した.実験装置の構成については、「羽田他, 資源と素材, Vol. 120, 2004」を参考とするが、反応熱の測定を可能とするために、冷熱源となる熱媒体管路を反応容器周囲に配置する構造とした. ○先行研究の追試(相平衡圧力の計測)上記の実験装置を使用して、純粋なCO2ハイドレートと促進剤を加えたCO2ハイドレートの相平衡圧力の計測を行った.本年度は特に,純粋なCO2ハイドレートと促進剤としてシクロペンタンを加えたCO2ハイドレートについて,先行研究の結果と比較を行い本研究で使用する実験装置での実験結果の妥当性を確認した.
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