研究課題/領域番号 |
17K14928
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本庄 賢 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (50731866)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ショウジョウバエ / 痛覚 / 侵害受容 / 神経ぺプチド |
研究実績の概要 |
本年度は研究課題とした3種類の神経ぺプチドについて、CRISPR/Cas9法を利用した受容体変異体の作製を実施した。3種類のペプチドに対して受容体として働く可能性のある6種類の受容体遺伝子について、それぞれ微小欠失を導入した変異体を作出した。作出した受容体変異体の熱痛覚反応試験も一部終了し、予想通り神経ぺプチド変異体と同様の表現型がみられる受容体変異体も見出されていることから、当初の予定通り研究を継続していく予定である。 また、受容体のGAL4系統の作製・利用を通じた受容体遺伝子の発現解析も実施し、二重染色によって幼虫の痛覚神経回路で発現が見られる受容体を複数同定した。こうした受容体発現細胞の機能についても、今後生体内解析を進めていきたいと考えている。 予定していた生体内神経活動イメージングについては、これまでに作製した受容体遺伝子変異体や、ペプチド変異体とイメージングに必要なカルシウムセンサーを組み合わせた系統を作出している。また受容体発現が見られた痛覚神経回路構成細胞のイメージングの条件検討も進めていることから、系統の準備が整い次第実際のイメージングを行っていく予定である。 また、本年度は研究課題とした3種類の神経ぺプチドの分泌細胞の特定を一部前倒しにして実施することができた。これは、公開されているGAL4系統の中に実験に利用できる系統が見つかり、当初予定していたGAL4系統の作出の必要がなくなったためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画が29年度内に一部終了しなかった部分もあるものの、次年度の計画を前倒しで実施できた部分もあり、計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進展しており、今後も計画にのっとり推進していけるものと考えている。本年度は作成した受容体変異体の侵害受容反応テスト、生体内神経活動イメージングによる受容体発現細胞の侵害熱反応の観察、神経ぺプチド分泌細胞の特定などを進めていく予定である。神経ぺプチド分泌細胞の特定については、すでに公開されている系統の中から予想以上に有用な系統を見出すことができたことから、これを用いて計画よりも早く研究を進めていけるかもしれない。
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