• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 研究成果報告書

鱗食魚の右利き・左利きを支配する脳内機序の理解

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 17K14934
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 神経生理学・神経科学一般
研究機関富山大学

研究代表者

竹内 勇一  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40508884)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード左右性 / 脳の左右差 / 学習 / 捕食行動 / 遺伝子発現
研究成果の概要

左右性が顕著なタンガニイカ湖の鱗食魚について、左右性行動に関する回路素子・発達過程・遺伝基盤を調べた。生まれて初めての鱗食行動に左右差はあるのかを目的とし、固形飼料でのみ育てた幼魚を使って、捕食実験を行ったところ、鱗食初日の左右性は弱いが捕食を繰り返すことで強化された。すなわち、この左右性は、鱗食経験に基づいて獲得されることが明らかになった。また、利きと脳の左右差に関する脳内遺伝子を、RNA-seqで網羅的に解析した。鱗食魚の右脳もしくは左脳に特有な発現を示す遺伝子を同定した。なかには、初期胚で左右軸決定に携わる遺伝子が含まれており、それらが成魚の脳の左右差の維持に関わると示唆された。

自由記述の分野

神経行動学

研究成果の学術的意義や社会的意義

利き手のように体の片方を主に使う行動様式は脳内でどのように制御されるのか?左右の脳は高度に機能分化しており、その機構解明は脳科学上の重要な課題の一つである。私はタンガニイカ湖の鱗食魚を用いて、捕食時にみられる襲撃方向の利きは経験依存的な学習によって確立されるが、運動能力の左右差は生まれつき決まっていることを突き止めた。ヒトの利き手を代表として、様々な動物に広く認められるが、実はその獲得機構は、ほとんど明らかになっていなかった。鱗食魚の利きは非常に明瞭で、それを制御する入力から出力までの神経回路が想定できる。今後は、いまだ謎に包まれた「利きの脳内制御機構」の全容が解明できると考えている。

URL: 

公開日: 2021-02-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi