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2017 年度 実施状況報告書

領野間情報伝達を担う投射先選択的な神経細胞間の同期発火

研究課題

研究課題/領域番号 17K14942
研究機関生理学研究所

研究代表者

石川 理子  生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 助教 (60547991)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード他領域 / 視覚野 / 発達 / 活動同期生 / 受容野構造
研究実績の概要

視覚情報は脳の複数の視覚関連領域が協調的に機能することで処理される。本研究では、領域内及び領域間における同期的な神経活動の機能的役割、その神経基盤そして発達過程を明らかにすることを目的とする。特に一次視覚野(V1)-二次視覚野(V2)間に着目し、複数神経細胞の同期活動が領野間情報伝達において担う機能とその発達機構を解析した。

通常飼育したラットを用い、多チャンネル電極によりV1/V2を含む複数の視覚関連領域から多細胞の神経活動を同時記録した。空間的に限局した視覚刺激を提示し、個々の神経細胞の受容野位置を同定した。複数の神経細胞の受容野位置から視野地図を再構築することでV1/V2領域の切り分けに成功した。個々の受容野構造を定量的に解析したところ、V1領域とV2領域の受容野構造に違いを見出した。V2細胞の受容野はV1神経細胞より有意に大きかった。次に、様々な視覚環境で飼育したラットを用い、V1、V2領域の受容野構造について解析した。V1、V2どちらの領域においても開眼直後から視野地図が存在することを見出した。しかし、それぞれの領域における受容野構造の発達過程は異なり、V1よりもV2においてより大きな変化が発達に伴い生じることを見出した。最後に、V1神経細胞の同期発火がV1-V2間の神経活動の伝播に及ぼす影響を明らかにする目的で、V1複数細胞間での同期発火とV2神経細胞の活動強度の関係を解析しする予定だった。しかし、活動電位レベルでのV1-V2相互作用の同定が困難であったため、局所場電位における相互作用を解析し、局所場電位において視野地図上の位置に依存して同期活動が上昇することを見出した。

現在、局所場電位における同期性の発達過程を定量的に解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画が予定より遅れている。大きな原因として、動物の搬入に支障がでたことがあげられる。

今後の研究の推進方策

他領域の神経活動の相互関係を明らかにすることを目的とする。また、その関係が発達にともなう変化を同定する。そのために、より解析手法について検討する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

実験飼育室で感染事故がおこり、実験計画が遅れている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Activation of SF1 Neurons in the Ventromedial Hypothalamus by DREADD Technology Increases Insulin Sensitivity in Peripheral Tissues.2017

    • 著者名/発表者名
      Coutinho EA, Okamoto S, Ishikawa AW, Yokota S, Wada N, Hirabayashi T, Saito K, Sato T, Takagi K, Wang CC, Kobayashi K, Ogawa Y, Shioda S, Yoshimura Y, Minokoshi Y.
    • 雑誌名

      Diabetes.

      巻: 66 ページ: 2372-2386

    • DOI

      doi: 10.2337/db16-1344. Epub 2017 Jul 3.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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