ヒスタミン代謝酵素Hnmt-flox脳内にAAV-Creを微量注入することにより、注入脳部位でヒスタミン量が増加する。ヒスタミン増加は、視床下部では自発運動量の増加に、扁桃体では攻撃行動が増加することが明らかになった。一方、ヒスタミン合成酵素Hdc-floxの視床下部へのAAV-Cre注入は、脳内ヒスタミン量を減少させ、不安様行動の増加、自発運動量、攻撃行動の減少を認めた。以上から、ヒスタミン神経系は、視床下部においては、自発運動量や不安様行動に、扁桃体においては攻撃行動に、それぞれ関与していることが示唆された。本研究により、中枢ヒスタミン神経系の脳部位毎の機能解析が可能な手法が確立された。
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