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2017 年度 実施状況報告書

タンデムCas9を用いたDNAの輸送による新たな遺伝子改変マウス作製技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14973
研究機関東京大学

研究代表者

古戎 道典  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20734627)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードゲノム編集 / CRISPR / マウス / 発生工学
研究実績の概要

CRISPR/CasシステムやTALENなどのゲノム編集技術は、生物の遺伝子操作に画期的な変革をもたらした。特に、特定遺伝子の破壊や塩基置換などのゲノムDNAの改変は飛躍的に容易になっている。一方で、外来遺伝子を特定遺伝子座にノックインする効率はいまだに低い。外来遺伝子のノックインは、遺伝子発現を限られた細胞集団で操作したり、安定的な発現を実現したりするために欠くことのできない技術であり、より効率的なノックイン技術の開発が求められている。
本研究課題では、標的遺伝子へのノックインは確率的な現象であり、その効率は標的遺伝子座周辺に存在するドナー外来DNAの濃度に比例するという仮説のもと、由来の異なる2種のCas9タンパク質を組み合わせた「連結型Cas9」を用いることで、標的遺伝子座周辺のドナー外来DNAの濃度を高め、ノックイン効率の向上を試みる。
平成29年度は、種々の連結型Cas9発現コンストラクトを作製するとともに、それらのCas9タンパク質複合体によるノックイン効率を培養細胞を用いて解析するためのアッセイ系の構築を行った。このアッセイ系において、種々の連結型Cas9発現コンストラクトによるノックイン効率を検討した結果、ある特定の組み合わせの連結型Cas9発現コンストラクトにおいて、AAVS1遺伝子座へのノックイン効率が上昇する傾向が見られたが、有意なノックイン効率の改善には至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

培養細胞を用いてノックイン効率を測定するアッセイ系の開発は計画通り進み、一連の連結型Cas9について検討を行うことができた。一方で、このアッセイ系においては当初予想していたほどのノックイン効率の向上は認められなかった。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、当初の計画通り、培養細胞アッセイ系で有望だったコンストラクトを中心に、マウス受精卵を用いたノックイン効率の検討を行う。また、連結型Cas9によるノックイン効率の向上が予想ほど大きくなかったことから、連結型Cas9によって、実際に標的遺伝子座周辺にドナー外来DNAが集積しうるかどうかを染色体構造捕獲(3C)法により解析する。

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公開日: 2018-12-17  

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