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2017 年度 実施状況報告書

カニクイザルにおける革新的採卵システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14977
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

清田 弥寿成  滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任講師 (80737023)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードカニクイザル / FSH / 過剰排卵
研究実績の概要

本研究では卵の数、質を高め、さらに複数回採卵可能なカニクイザルの新しい過剰排卵誘起法を開発することを目的とした。特に2度目の採卵時にヒトFSHに対する反応性が極端に低下することが観察されたことから、その原因を明らかにした。2回採卵を実施した個体の血清を用いてヒトFSHの抗体の測定をELISA法で測定を行った結果、2回目に採卵数が50%以下に低下した個体の血清からのみ、ヒトFSHに対する抗体の上昇が検出された。そこでヒトFSHに対する抗体産生が抗体産生が2度目の採卵数が減少する一因であると考えられ、カニクイザルFSHをヒトFSHの代わりに投与すれば抗体産生が抑制され、複数回の採卵が可能になることが期待されることから、カニクイザルFSHの合成を行った。カニクイザルの卵丘細胞cDNAからFSH遺伝子をクローニングし、薬剤耐性遺伝子を挿入したFSH発現ベクターを作製し、CHO細胞にトランスフェクションを行なった。FSH抗体によるFSH発現の確認、薬剤選抜によるFSH発現細胞の濃縮を行ったのちに、限界機釈法による1細胞由来コロニーを樹立した。FSH-ELISAの構築を行ったのちに、カニクイザルFSH遺伝子を発現させたCHO細胞株の培養上清中に分泌されたカニクイザルFSHをELISAで測定しFSH高分泌株を選抜した。当該年度ではヒトFSHに対する抗体の産生が2度目以降の採卵時のホルモンに対する卵巣の反応低下の原因であるか事を明らかにし、さらにそれを克服することが期待されるカニクイザルFSHの作製に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

複数回採卵可能なカニクイザルの新しい過剰排卵誘起法については、2度目以降の採卵時のFSHに対する卵巣の反応低下が、2度目採卵数の低下の原因であるか事を明らかにし、抗体産生が起こらない事が期待される、カニクイザルFSHの作製に成功しているが、卵の数、質を高める過剰排卵法の開発については、インヒビン抗血清の投与に至っていないため、やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

カニクイザルFSHについては、顆粒層細胞を用いてバイオロジカルアッセイを行い分泌されたFSHの有効性を確認した後に、大量作製、各種クロマトグラフィーを用いて精製を行う。また精製されたFSHを未採卵のカニクイザルに投与し卵胞の発育を確認した後に、一度過剰排卵を行なった個体に再度カニクイザルFSHを投与し2度目の採卵の可否を調べる。インヒビン抗血清については入手済みであるので、実際、投与試験を行い血液中のFSHが上昇するかどうかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

インヒビン投与が進まなかったため、それに使用予定であった経費を繰り越した。今年度、インヒビン投与実験に使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Anti-FSH antibodies associate with poor response of ovarian stimulation in IVF of cynomolgus monkey.2017

    • 著者名/発表者名
      Yasunari Seita, Jun Matsushita, Chizuru Iwatani, Hideaki Tsuchiya, Masatsugu Ema
    • 学会等名
      50th Annual Meeting of the Society for the Study of Reproduction
    • 国際学会
  • [学会発表] Reduced ovarian response after 2nd human FSH administration is caused by production of antibody against human FSH in cynomolgus monkey.2017

    • 著者名/発表者名
      Yasunari Seita, Jun Matsushita, Chizuru Iwatani, Hideaki Tsuchiya, Masatsugu Ema
    • 学会等名
      The Forth World Congress for Reproductive Biology
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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