研究課題
変形性関節症は関節軟骨の損傷により生じた骨棘による痛みや軟骨組織の変性による関節可動域の制限などが特徴的な退行性の骨代謝疾患である。そのため、軟骨細胞代謝は変形性関節症に対する治療薬開発において重要な研究課題である。これまでの研究活動にて、自己免疫疾患感受性因子として抽出したCTRP6が補体制御因子であることを明らかにしてきた。このCTRP6の欠損により変形性関節症が自然発症したことから本研究課題を立案した。本年度研究までに、変形性関節症発症においてCTRP6は補体制御因子として過剰な補体活性化による軟骨破壊を抑制すること、軟骨細胞増殖因子として軟骨再生を促進することを見出した。このとき、CTRP6は2つの受容体を介して軟骨細胞の増殖を制御することを明らかにした。CTRP6と同様にCTRP3も軟骨細胞増殖活性を有することが知られているが、その機能を介する受容体は明らかではなかった。そこで本年度は軟骨細胞増殖におけるCTRP3に着目した研究活動を行なった。同じくCTRPファミリー分子であるadiponectinの受容体として知られる、AdipoR1およびAdipoR2に着目した。AdipoR1およびAdipoR2に対するRNA干渉およびペプチドブロッカーを用いて、CTRP3による軟骨細胞増殖活性におけるAdipoR1およびAdipoR2の役割を評価した。その結果、CTRP3はAdipoR2を介して軟骨細胞の増殖を制御することを明らかにした。本研究により複数のCTRPファミリー分子による軟骨細胞増殖制御機構を解明することが出来た。これらの研究成果は変形性治療薬および軟骨細胞増殖薬の開発に有用な知見となる。
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