長鎖非翻訳RNA (long non-coding RNA, lncRNA)による遺伝子発現制御は様々な生命現象に関わっており、近年ではがんの発生や進展への関与も明らかになりつつある。本研究では膠芽腫を自然発生する遺伝子改変マウスを用いて、腫瘍形成過程におけるlncRNAの発現変動を解析した。その結果、腫瘍形成過程において発現が増加するLnc-1、 Lnc-2は正常脳組織と比較し、膠芽腫において有意な発現の亢進を認めた。さらにヒト膠芽腫細胞ではLnc-1、Lnc-2の発現抑制が増殖抑制効果を示すことから、Lnc-1、Lnc-2は膠芽腫の形成や進展に関わるlncRNAであることが示唆された。
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