(1) ATL細胞株におけるIMiDs特異的なCRBNの標的候補の絞り込み 昨年度に引き続き、UbiScanの条件検討を行ったものの、残念ながら実験的な困難さにより期限内に十分に信頼できる結果が得られなかった。そこで、並行して行っていたMM細胞株におけるIMiDs特異的なCRBNの標的候補の解析結果を用いて、(i) ATL細胞株に特異的であった候補因子、および (ii) MM細胞でも同定された中で未報告の因子、の中から結合の確からしさおよび既知の機能に基づき、25の候補因子について詳細に解析することにした。 (2) ATL細胞株における標的候補のIMiDsによる分解の検証 解析した25の候補因子の中で12の因子についてATL細胞株においてIMiDsによる分解を観察することができた。しかし、本研究で行った条件ではレナリドミドによって顕著に分解された因子は3つに留まった。 (3) IMiDsの抗ATL作用の分子メカニズムの解析 まずレンチウイルスベクターによる候補因子のノックダウン行った所、予想に反して多くの候補因子のノックダウンは程度の差こそあれATL細胞株の増殖を阻害した。増殖への影響によって候補因子を絞り込むことができなかったため、計画を変更しIMiDs処理のRNA-seqを先行して行った。増殖抑制に関与するパスウェイの中で、IMiDs処理により有意に変動した経路について、個別に候補因子の影響を解析する予定である。
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