Trop-2は、発現量と予後の相関関係が報告されている癌悪性化因子であるが、細胞間接着の保持への関与など、癌悪性化抑制因子としての機能も報告されており、評価が定まっていない。本研究では、Trop-2の量的な変化だけではなく質的な変化に注目し、同分子のリン酸化制御機構及び癌悪性化機構への影響を検討した。その結果、Trop-2はPKCα/δによってリン酸化され、また同分子の阻害剤は、癌細胞の移動能を低下させることを見出した。これは、Trop-2による癌悪性化が質的な変化によって誘導される可能性を示すものである。
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