癌では大規模な代謝シフト(ワールブルグ効果)が起こることが知られているが、その意義や機序については明らかにされていない。我々はヒト癌検体から分泌されるエクソソームの解析から、腎癌微小環境中の癌関連線維芽細胞 (CAF) がエクソソームを介して持続的かつ大量のグリコーゲンを癌細胞に供給していることを見出した。本研究ではまず、ヒト腎癌組織から効率よくCAFを単離培養する方法を構築した。さらにCAF由来エクソソームにより癌細胞に送達されるグリコーゲン量の測定を行い、癌細胞内で誘導される代謝物変化量と合わせて各フラックス量を定量的に解析することでワールブルグ効果の全貌を明らかにすることを試みた。
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