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2017 年度 実施状況報告書

ヒトPD-1発現T細胞保有マウスの作製と抗PD-1抗体薬の効判定システム構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K15007
研究機関筑波大学

研究代表者

黒川 宏美  筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30791496)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード抗PD-1抗体薬 / LLC細胞 / 共培養 / 薬効判定
研究実績の概要

担がんマウスから分取したT細胞と、PD-L1強発現LLC細胞を共培養し、PD-1抗体薬を添加することでPD-1抗体薬の薬効判定システム構築を検討した。2015年に薬事承認された抗PD-1抗体薬はある一定の患者に対して高い有効性を示す一方、非常に高価であること、一部重篤な副作用が生じることが問題視されている。さらに近年その適応範囲が拡大しつつある中、患者選択が非常に重要であることが言われている。この問題を解決するためのシステムをin vitroで構築することが本研究の目的である。蛍光タンパクであるGFPとiRFPが発現しており、かつ PD-L1を強発現したLLC細胞と、担がんマウスから分取したT細胞を共培養し、死細胞染色色素SYTOXで染色することで、in vitroで抗PD-1抗体薬の薬効判定システムが構築できるか検討した。
抗PD-1抗体薬の効果はPD-L1と結合するだけでなく、他の抗原抗体反応も関与することが多く報告されている。そこで本年度はヒト化マウスの作製は行わず、in vitroの共培養系で薬効判定システムが構築できるか検討し、可能であれば臨床検体を用いた検討を行うこととした。
本研究では対象群としてPD-L2強発現LLC細胞も作製し、検討を行った。T細胞は担がんマウスの腫瘍部から採取した。ハサミを用いて腫瘍を粥状にした後、1時間の酵素処理を行うことで腫瘍組織から細胞を抽出した。さらに比重遠心法を用いることで、対象とする腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を回収した。回収したTILは目的とする位置に層を形成していなかったが、この細胞を検討に使用した。担がんマウスの腫瘍から分取したTILとPD-L1またはPD-L2共発現LLC細胞を共培養したところ、腫瘍細胞に及ぼす細胞傷害性に差は見られなかった。さらに共培養系に抗PD-1抗体薬を添加した場合でも差は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

薬効判定システムの構築を目的に、TILと腫瘍細胞の共培養系の構築を試みた。PD-L1細胞の蛍光量が減少したため、リクローニングを行った。また比較群としてPD-L2に蛍光タンパクを発現させた。LLCをC57BL/6Jマウスに移植することで担がんマウスを作製した。Percollを用いた比重遠心法でTILの回収を試みたが、目的とする位置にTILは存在しなかった。別の層の細胞を回収し共培養したが、PD-L1とPD-L2強発現細胞の生存率に差は見られなかった。

今後の研究の推進方策

比重遠心法を用いたTILの回収が困難であったことから、平成30年度はフローサイトメーターを用いたTILの回収を目指す。担がんマウス作製後、マウスから腫瘍組織を分取する。1時間の酵素処理後、腫瘍組織から細胞を抽出する。得られた細胞はCD45で分取し、TILを回収する。得られたTILとPD-L1またはPD-L2強発現LLC細胞を共培養することで、薬効判定システムが構築できるか検討する。さらに末梢血のT細胞を用いることでも薬効判定が可能か検討する。

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公開日: 2018-12-17  

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