培養細胞株を用いた実験において当該遺伝子のmRNA量と蛋白質量とに乖離が見られる場合が確認されてた。転写物の配列をサンガーシークエンス解析した結果、当該遺伝子を含む複数の遺伝子座に跨る転写産物の存在が示唆された。このため、培養細胞株を用いて転写産物を新たに単離し、配列を決定するための実験系を構築し、5'RACE法等を併用して配列を解読する作業を継続している。これまでに、培養環境の変化がこの特異的転写物の量に変化を及ぼすデータが得られており、この環境が実際の腫瘍組織においてどのような局面を反映しているものであるかを解明することで、今回発見した転写産物が病期分類や薬剤投与等の指標となりうるかを引き続き検討していく。
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