研究課題/領域番号 |
17K15015
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 修平 山形大学, 医学部, 助教 (90637175)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 神経伝達物質 / オランザピン / 癌幹細胞 / 薬剤抵抗性 / ドラッグリポジショニング / アリピプラゾール / ドパミン / サバイビン |
研究実績の概要 |
当該年度においては、代表的なMARTA(多元受容体作用抗精神病薬)の一つであるオランザピンの効果と、別の薬剤Xについての、癌細胞および癌幹細胞に対する治療効果について検討を行った。まずはじめに、オランザピンについての検討であるが、オランザピンは比較的有害事象の少ない抗精神病薬であり、制吐剤や抗せん妄薬として癌患者へ加速度的に用いられ始まっている。今回の実験を通じて、オランザピンが癌細胞の増殖抑制および細胞死増加という効果を誘導することができ、さらには薬剤耐性を減弱させることができることを突き止めた。また、それらの機序の一つとしてサバイビンの発現減弱が関わっている可能性を指摘することができた。それだけでなく、癌幹細胞の分化誘導効果を示すこともでき、それらをスフィアフォーメーションアッセイやウェスタンブロッティングなどによる未分化マーカーの減弱などを通して明らかにした。それらの成果は国際誌へ掲載され(査読有、Anticancer Res. 2017;37(11):6177-6188.)、早くも国際誌のレビューへ引用される(MSI Roney, et al. Archives of pharmacal research, 2018.)など、多くの注目を集めている。別の薬剤X、X’を用いた実験も並行して行っており、サバイビンを介した機序だけでなく、新たな機序Yを通じた、効果Zという興味深い知見が得られており、研究を継続していくだけでなく、動物実験についても順調に推移しており、さらに継続していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿い、オランザピンによるサバイビンを介した癌幹細胞・癌細胞の治療効果について論文化することができ、神経伝達物質の細かい関与についても新薬X、X'を用いて現在検討を行っている最中である。in vivoについては、当初はアリピプラゾールやオランザピンなどで行う予定であったが、新薬X、X'に着目し、in vitroにおいて有望な結果が得られていることより、in vivoにおける薬剤選択は現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画におおむね沿っており、さらなる神経伝達物質の関与についての細かな点につき検討を加えるとともに、薬剤X、X'を用いた検討をさらに行う予定である。所期の結果が得られれば、動物実験を行い(予備実験は済み)、論文化を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の実験で想定よりも順調に進行することができたため。
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