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2019 年度 実績報告書

新新たなタイプの向精神薬に着目した安全で効果的ながん幹細胞治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K15015
研究機関山形大学

研究代表者

鈴木 修平  山形大学, 医学部, 助教 (90637175)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードがん幹細胞 / ドラッグリポジショニグ / 抗精神病薬 / 薬剤抵抗性
研究実績の概要

本研究は、がん患者へも投与しやすい神経伝達物質受容体作用薬であるアリピプラゾールがもつ抗がん幹細胞効果を示した報告をさらに発展させ、他の神経伝達物質受容体に作用する薬剤を用いた抗腫瘍効果の検討や、作用機序の検討、動物実験での検討などを主なテーマとして行われた。一つ目の業績として、制吐剤としても用いられる、腫瘍内科学的に重要な薬剤であるオランザピンを用いた実験においては、代表的抗アポトーシス分子サバイビンの減少を介して、ゲムシタビンやシスプラチンなどの代表的抗がん剤の薬剤抵抗性を減弱させることに成功し、その効果は膵がんや肺がんにとどまらず、卵巣がんにおいても示すことができた。それだけでなく、オランザピン処理により、がん幹細胞を分化させて幹細胞性を失わせることにも成功し、併せて報告を行った。二つ目の業績として、アリピプラゾールに比してさらに有害事象が少ない抗精神病薬であるブレクスピプラゾールを用いることにより、膵がんと肺がんのがん幹細胞へのサバイビンの減弱を介した抗がん幹細胞効果をin vitroだけではなく、in vivoにおいても併せて示すことができ、免疫染色によっても機序を確認することができた。また、三つ目の業績として、そのブレクスピプラゾールがグリオブラストーマ幹細胞へのオシメルチニブ感受性を与えるという世界初の発見に至り、その効果はin vitroだけでなくin vivoにおいても示すことができ、画期的な報告を行うことができた。そして、四つ目の業績として、肺がんや膵がんでも同様にブレクスピプラゾール処理によりオシメルチニブ感受性を付与することができることをin vitroだけでなくin vivoにおいても明らかにした。さらなる詳細な機序について現在も引き続き研究を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Brexpiprazole Reduces Survivin and Reverses EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Resistance in Lung and Pancreatic Cancer2019

    • 著者名/発表者名
      SANOMACHI TOMOMI、SUZUKI SHUHEI、TOGASHI KEITA、SEINO SHIZUKA、YOSHIOKA TAKASHI、KITANAKA CHIFUMI、OKADA MASASHI、YAMAMOTO MASAHIRO
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 39 ページ: 4817-4828

    • DOI

      10.21873/anticanres.13667

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Brexpiprazole, a Serotonin-Dopamine Activity Modulator, Can Sensitize Glioma Stem Cells to Osimertinib, a Third-Generation EGFR-TKI, via Survivin Reduction2019

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Shuhei、Yamamoto Masahiro、Sanomachi Tomomi、Togashi Keita、Sugai Asuka、Seino Shizuka、Yoshioka Takashi、Kitanaka Chifumi、Okada Masashi
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 11 ページ: 947

    • DOI

      10.3390/cancers11070947

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] In vitro and in vivo anti-tumor effects of brexpiprazole, a newly-developed serotonin-dopamine activity modulator with an improved safety profile2019

    • 著者名/発表者名
      Suzuki S, Yamamoto M, Togashi K, Sanomachi T, Sugai A, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C, Okada M.
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 10 ページ: 3547-3558

    • DOI

      10.18632/oncotarget.26949

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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