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2017 年度 実施状況報告書

肺癌における翻訳開始因子eIF2γの分子機構の解明と新規治療薬の開発応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K15018
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

栗本 遼太  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト助教 (10753957)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードeIF2gamma / microRNA / 腫瘍
研究実績の概要

翻訳開始因子eIF2gammaをsiRNAによって抑制することで、eIF2aのリン酸化及びその下流因子(ATF-4、CHOP)の発現がタンパク質レベルで促進され、肺癌細胞株の腫瘍増殖及びEMTへの形質転換が抑制された。現在eIF2gammaのHA配列を有するノックイン及びノックアウト細胞をCRISPR-Cas9法を用いて樹立中である。この他、タンパク質翻訳解析のため、樹立した細胞を用いて実施予定であるリボソームフットプリント法の条件を検討中である。
また、腫瘍ストレスにおける翻訳開始の発現調節を行うepigeneticsの網羅的解析を行なっている。let-7 familyは腫瘍ストレス下において翻訳開始を抑制し、腫瘍増殖や幹細胞の維持に対して抑制的に働くmicroRNAである(Science 2005;309:1573)。このmicroRNA (let-7)を標的としてluciferase reporter assayを用いた機能的スクリーニングを実施し、制御遺伝子の候補となる遺伝子を同定した。現在これらの候補遺伝子の過剰発現及び抑制系の細胞を樹立し、詳細な解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたeIF2aリン酸化抑制の検証及び細胞増殖、分化能への影響を検証した。一方、Cripr-Cas9法によるゲノム編集においてその変異導入の効率が悪く、ノックイン、ノックアウト細胞の作成に時間を要している。また、リボソームフットプリント法によるタンパク質翻訳解析の条件の検討において、効率的なRNase処理の条件を検討中である。

今後の研究の推進方策

Crispr-Cas9によるゲノム編集を用いたノックアウト細胞を作成し、Xenograftモデルの腫瘍移植実験を予定する。また、リボソームフットプリント法のみならず当初困難な際に検討するとしていたRNA-シークエンス解析を検討する。この他、翻訳開始因子及びmicroRNAの関連についての網羅的解析を継続して検討する。
また、腫瘍ストレス下においてその翻訳を抑制し腫瘍増殖抑制に機能するlet-7を制御する新たな遺伝子を探索する機能的スクリーニングを実施した。その結果得られた候補遺伝子の過剰発現、抑制系の細胞樹立下。これらの細胞を用いて、microRNAの成熟およびその機能へ与える影響とその機序をCLIPやin vitro processing法などを駆使して解析中であ理、これらを継続して実施する。

次年度使用額が生じた理由

CRISPR-Ca9による細胞株樹立に時間を要しており、当該年度実施予定の実験が一部行うことができず、次年度に実施する予定となったため、これらの次年度使用額が生じた。次年度にこれらの実験を実施することで使用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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