研究実績の概要 |
肺扁平上皮癌におけるTP53、Nrf2遺伝子異常の有無、c-myc遺伝子の発現増強について解析した。またgls1,2のタンパク発現レベルをwestern blotで解析し、Gls1,2のグルタミン依存性における役割を解明するためグルタミン非依存性の肺扁平上皮癌株QG56株において、Gls1ノックイン或いはGls2ノックダウンにより、グルタミン欠乏による増殖が抑制されることを確認した。グルタミン依存性の肺扁平上皮癌株において、Gls1ノックダウン或いはGls2ノックインにより、グルタミン依存が解除できるかを確認した。Gls1阻害薬であるBPTESを各濃度で加えることによる増殖抑制効果を評価した。Gls1特異的阻害薬であるcompound968及びグルタミン代謝阻害薬のCB-839を用いて肺扁平上皮癌における増殖抑制効果を検証した。グルタミン非依存細胞株QG56とグルタミン依存性細胞株グルタミン代謝阻害によるmTORC1活性の低下の有無を下流タンパク(S6, P70,S6K)のリン酸化で検討した。グルタミン除去培地でグルタミン依存性細胞においてmTOR1シグナルが抑制されることが判明した。QG56とグルタミン依存性細胞株のRERF-LC-1においてE-16-dとpepstainAを加え蛋白を抽出し、western-blottingでLC3-Ⅱの発現の増強を検討し、グルタミン除去またはGls1特異的阻害薬投与によりオーファジーが誘導されることを確認した。スキッドマウスに細胞株を移植することや患者検体でグルタミン抑制による増殖抑制について有意な証明はできなかった。
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