研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺扁平上皮癌細胞株の多くはグルタミン代謝依存性で、Gls1 阻害剤による治療効果が十分期待できる。よって、分子標的治療薬が存在しない肺扁平上皮癌に対する新たな分子標的治療になる可能性が十分ある。一方、グルタミン代謝依存性に関わる遺伝子異常は、TP53, c-myc, Nrf2 がある。更には、神経膠芽腫や急性白血病にみられる IDH1遺伝子異常においてもグルタミン依存性が示されている。よってグルタミン代謝酵素であるグルタミナーゼをターゲットとした分子標的薬を開発する端緒となれば、これら遺伝子異常を持つ様々ながん腫に効果を発揮する可能性が高く、多くの患者の福音となる可能性がある。
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